OKAYAMA INNOVATION CONTEST Grand Prix 2018

OKAYAMA INNOVATION CONTEST 2018 受賞者決定!!

11月24日(土)、岡山シンフォニーホールにて「岡山イノベーションコンテスト2018」
ファイナルステージが開催された。当日はファイナリスト15組による優れたビジネスプランが披露され、
1000人を超える会場客を魅了した。グランプリと各部門の大賞受賞者を紹介します。

受賞者紹介

グランプリ

白桃を世界に!
「果物ロス」を年中保存できる
革新的ノウハウで解決

農業生産法人 果樂株式会社 
土居 栄太郎

写真:グランプリ 受賞者
長期保存技術で白桃の輸出拡大

「食料廃棄」は全世界で起きている問題です。その中でも「果物ロス」は廃棄ランキング2位となっており、東南アジア諸国では8割以上とも言われています。非効率な収穫、インフラ未整備、貯蔵施設の衛生状況が主な原因なのですが、その果物ロスを年中保存できる「革新的なノウハウ」で解決したいと思っています。
岡山の誇る桃の女王「清水白桃」。開発に3年をかけ、年中味わえる丸ごと桃「水熟桃」を作りました。脱酸効果のある特殊フィルムで酸化を極限まで抑えて鮮度を保持し、海外輸送の食物検疫もクリア。この製法は、あらゆる果物を加工できます。
低コスト、コンパクトな設備で、この製法をリアルタイムに提供します。さらに移動可能な「トレーラーハウス型」にして、果物を求める人に向けて全国を走ることもできます。濃縮シロップの販売、保存技術の提供により付加価値のある商品づくりもサポートしますW。これらが実現できれば、廃棄果物の有効活用、輸出リスクの軽減、生産者の収益向上が約束できるのです。

ビジネスプラン部門:高校生の部 大賞

「キクイモで井原を元気に!」
~地域振興プロジェクト~

岡山県立井原高等学校 
三宅 龍大 / 亀若 陸人

写真:ビジネスプラン部門 高校生の部 大賞受賞者
キクイモで放棄地を再生

耕作放棄地を再生し、地域を元気にするため、キクイモの栽培を提案します。
キクイモの主成分である水溶性繊維「イヌリン」は、糖分の吸収を抑え、糖尿病や腸内環境の改善を期待でき、すべての人の健康増進に寄与できます。この特徴を生産者、消費者に知ってもらい普及させたいと考えています。
私たちは休耕地を活用し、無肥料、無農薬で栽培したところ、1株から2㌔㌘収穫でき、ジャガイモと比べ経費も30%削減できることがわかりました。多くのレシピをつくり、苗の配布などで啓発活動も行いました。
このキクイモを「ふるさと納税」の返礼品に使い、クラウドファンディングも活用して資金を集め、フリーズドライなど新商品を開発していきたいです。

ビジネスプラン部門:大学・専門学校生の部 大賞
サンマルク賞

ベジ狩り

福山市立大学 
大頭 理華子

写真:ビジネスプラン部門 大学・専門学校生の部 大賞受賞者
農家と顧客マッチング

野菜を収穫しきれない農家と、収穫を体験したい顧客をマッチングするポータルサイトの企画・運営を提案します。
まず農家に野菜の情報を提供してもらいサイトで紹介します。顧客は利用料を払い収穫体験と野菜を手に入れ、農家には利用料の3割を受け取っていただきます。当社からは鳥獣害対策、野菜の生育状況を配信するための監視カメラをプレゼントします。ニーズ調査では、農家は「手間が省ける」、顧客は「近所にあれば行きたい」との声があがりました。
農家にとっては所得向上、労力軽減、監視カメラ取得、顧客とのコミュニケーションアップ。地域にとっては耕作放棄地化を防ぎことができ、知名度向上というメリットもあります。今後、普及を図り廃棄野菜ゼロを達成します。

ビジネスプラン部門:一般の部 大賞

混合介護の人材シェアサービス
お世話の輪

オージー技研株式会社 
大森 淳史

写真:ビジネスプラン部門:一般の部 大賞受賞者
複数事業者で人材融通

規制緩和で混合介護が可能になれば、いつもの介護業務に家事代行などを上乗せするなどのサービスがはじまります。収益面で魅力的なのですが、一方で人材不足で手が出せないのが実情です。そこで、働きたい人と事業者の両者をつなぐプラットフォームを提供し人材をシェアするサービスを提供したいと考えています。
1社では限られる仕事も、複数の事業者が集まれば勤務希望日や時間、能力に合わせた多くの選択肢が生まれます。働きやすい環境が整い、不足していた人材を確保できます。
事業者の不安は良い人材が集まるかどうかです。まずは経験者を募り、職歴などを当社が把握します。事業者からの指名制度や評価点も導入し、当社が教育を行います。この方式を岡山式介護モデルとして発信します。

ビジネス部門:スタートアップの部 大賞

洗車の未来を変える!
水なし洗車×空きスペース×アプリの融合

株式会社KCBプランニング 
大賀 謙司

写真:イノベーション部門:スタートアップの部 大賞受賞者
水なし洗車で空き地活用

水なし洗車は時間も場所も選ばず、環境も汚さない次世代の技術です。現在、「機動洗車隊」として全国に展開しており、熊本地震の際には洗車支援を喜んでいただきました。
この技術を使えば空きスペースを洗車場としても、駐車場としても利用できるシェアリングエコノミー(共有型経済)が可能になります。このサービスを簡単に利用してもらうため、場所検索から入出庫、洗車メニュー選び、清算までを管理するアプリも提供します。そうすることで〝洗車難民〟らユーザーと、土地を活用したいオーナーをスマートにマッチングさせることができます。
このビジネスを後楽園や倉敷美観地区、空港近隣で展開し、観光客誘致や空路利用促進も目指します。

ビジネス部門 イノベーションの部 大賞

国産竹を活用した新しい産業の創設
(放置竹林から宝知竹林へ!)

株式会社 松本 
松本 聡

写真:ビジネス部門 イノベーションの部 大賞受賞者
さまざまな竹の活用提案

生活環境の変化により竹の需要が減ったことで、放置竹林が広がっています。この問題をコミュニティービジネスで解決します。
竹林を整備することで竹が太くなり、土砂崩れなどを防止。伐採した竹を使い土壌改良剤の竹パウダーを福祉施設と連携し製造しています。小中高校では竹を加工したシェードランプ「竹あかり」作りを、食品ではタケノコをパウダーにすることで機能性食品などに、工業面でもバイオマスプラスチックの原料になります。
竹が持つさまざまな可能性を形にすることで、厄介者ではなく宝だと知る「宝知竹林」に変えていきます。放置竹林に困っている地域へこのスキームを持っていき、ノウハウを提供していきたいです。

MASC賞

映像の利点を生かして
幅広い人と人をつなぐ
映像型次世代SNS「TREE」

岡山県立岡山操山高等学校 
板谷 勇飛

写真:MASC賞受賞者

映像表現を言語として用いることで効果的なコミュニケーションをもたらすことができると考えています。その初めの一歩をカタチにしたのが、SNS(会員制交流サイト)の「TREE(ツリー)」です。
まず特技を自慢する動画を投稿してもらい、興味を持った他のユーザーの映像と一緒に表示させます。最初の人が「根っこ」で、枝葉が広がるようにつながっていきます。言葉は一切使わず映像だけで完結させます。有名になりたいというユーザーの心理が投稿を加速させていき、自分をアピールすることへの抵抗もなくなるはずです。
地方に眠っている優秀な人材を発掘することが容易になるほか、映像技術の研究で岡山の企業や大学との連携も強化できます。

【MASC賞】とは

「岡山県倉敷市水島地域への航空宇宙産業クラスターの実現に向けた研究会」(MASC)
新規事業に挑戦することで、地域のものづくりを発展させると共に、次世代へ向けて「夢」を与える事が出来る先進的な技術を評価。

審査員特別賞

子ども達が外国語や異文化に触れ合う
留学生を雇用した学童保育

金光学園高等学校 
山本 幸歩

写真:審査員特別賞受賞者

私たち日本人は小学生の時から英語を学んでいるにも関わらず、なぜ英語が使えない人が多いのでしょう。その要因は、実際に英語を使って話す機会が少ないことにあると考えています。そこで私が提案するのが留学生を雇用した学童保育です。
子どもたちは音楽やゲームなどを通し、英語を使う楽しさを体験しながら習得します。異文化に触れることで国際感覚が身に付き、グローバル人材になる可能性もあります。
営利目的ではないため受講料を安くでき、大都市と地方にある教育サービスの格差を埋めることができます。
保護者にとっては語学塾への費用や送迎の負担を軽減、外国人留学生も日本の子どもや市民との交流ができます。自治体は資金をかけない教育の充実が図れるはずです。