OKAYAMA INNOVATION CONTEST Grand Prix 2020

OKAYAMA INNOVATION CONTEST 2020
受賞者決定!!

11月29日(日)、岡山シンフォニーホールにて「岡山イノベーションコンテスト2020」
ファイナルステージが開催された。当日はファイナリスト16組による優れたビジネスプランが披露され、
会場客を魅了した。グランプリと各部門の大賞受賞者を紹介紹介します。

受賞者紹介

グランプリ

お祈りメールを他社への推薦に変える
「ABABA」

岡山大学 
久保 駿貴

写真:グランプリ 受賞者
学生・企業の就活を効率化

就職活動の最終面接で不採用となった学生を企業間で推薦し合うプラット フォーム「ABABA」を開発した。
ユーザー企業は、自社で採用しなかった学生に専用サイトへの登録を促すとともに、その学生の強みや不採用理由などを任意で入力。その評価を基に、別のユーザー企業が学生にオファーを送る。採用に至った場合、一人当たり40万円の成功報酬を支払ってもらう仕組みだ。
企業側のメリットとして、人材要件の似た企業の最終面接に進んだ学生は一定の能力が担保されているため、採用活動の労力軽減につながる。また、定型書式の不採用通知、つまり「お祈りメール」を送って済ませる企業に比べ、イメージアップが図れる。
11月のリリースから1カ月で40社のユーザー企業を獲得。現在は東京のITベンチャー企業に絞っているが、岡山の企業にも売り込み、上京・上阪している学生が地元で活躍する環境をサポートしたい。

ビジネスプラン部門:高校生の部 大賞

VR釣り堀で
岡山のトトをゲットしよう!

岡山南高等学校
大久保 真佑 / 小林 梨紗
岡 夏妃 / 池宗 澄花

写真:ビジネスプラン部門 高校生の部 大賞受賞者
地魚の消費拡大へ

岡山県の地魚を〝釣り上げる〟VR(仮想現実)釣り堀ゲームを開発する。利用者は自宅に居ながらにして、臨場感たっぷりの瀬戸内海の風景の中で釣りを楽しみ、釣った魚に興味がわけば、課金を支払うことで後日〝実物〟を宅配してもらって食べることもできる。
事業はゲーム運営を私たち高校生、魚の提供を協力者の岡山水産物流通促進協議会や岡山市中央卸売市場関連事業者が分担。協力者は課金額から手数料を差し引いた額が収入になり、自社の販売ルート以外で収益を出せる。岡山の地魚の販売促進効果も見込める。
岡山近海でとれる地魚がメジャーになれば、消費が拡大して地元の水産業が活性化する。地域の食文化を守ることにもつながる。

ビジネスプラン部門:大学・専門学校生の部 大賞

草食系のための出会ってる系
マッチングアプリ 『スキッテ』

岡山大学 
宮本 大輝

写真:ビジネスプラン部門 大学・専門学校生の部 大賞受賞者
新たな機会を提供

既に知り合っている「好きな人」に好意を伝えるマッチングアプリ「スキッテ」の開発を目指す。無料通信アプリの「友達」限定でのマッチングと、利用者の気持ちが当事者以外には知られないのが特徴。まず、利用者は好きな人を3人選んで登録。そして選んだ相手も自分を登録してくれたら双方に通知がくる。ここまでは無料(通信費除く)で、誰とマッチングしたかを知るには課金がある。
 出会いはあるけど、「好き」って言えない草食系の男女は全国に多いと思う。その人たちに恋愛のチャンスを提供することは、人口減少や婚姻率の低下の歯止めにつながる。見知らぬ人同士の出会いを想定する従来の同種アプリとは異なる市場を開拓する。

ビジネス部門:創業前の部 大賞

結婚式に全く新しい価値を!
夢を叶えるGage Wedding

Gage Wedding 
虫明 真魚

写真:ビジネス部門 創業前の部 大賞受賞者
低価格の挙式可能に

ウエディングプランナーの経験を生かし、理想の結婚式を相場の半額程度でかなえるプラットフォーム「Gage Wedding」を立ち上げる。ユーザーはスマートフォン一つで、ドレスやペーパーアイテム、会場など、登録事業者が提供するサービスを自由に選択し、明示された最終価格を確認した上で発注する。この手法なら、土地や建物といったハードを整備する必要がないため、原価が抑えられ、安く式を提供できる。また、高額なオプション料金が積み上がり、最終価格が不透明という業界の特殊な課題も解消。金銭面で挙式をためらっていた潜在層に訴求していく。まずは岡山を足掛かりに、登録事業者を増やして全国展開。顕在層にも売り込み、幅広い人たちに特別な瞬間を届けたい。

ビジネス部門:創業後の部 大賞

砂型3Dプリンターの活用による
『イノベーションの実現化』

株式会社イノテック 
岡﨑 真之

写真:ビジネス部門 創業後の部 大賞受賞者
低コスト・短納期実現

機械メーカーは新商品を開発する上で試作・単品製作を行うが、熟練工の不足や金型費などの部品コストが課題となっている。そこで当社は、部品の開発設計から金型製作、各種素材加工まで一貫生産体制を構築している強みを生かし、鋳造に必要な砂型を造る3Dプリンターを導入した。設計データをもとに、1層0.3ミリの砂・樹脂を積み重ねて砂型を造形。溶解した金属材料を造形された空間に注ぎ、冷却後に砂をばらすと製品が出てくる仕組みだ。高さ180センチ、幅115センチのものまで生産できる。この装置を使えば、砂を詰める金型が不要で、納期は3分の1以下に短縮。砂を繰り返し使えるのも利点だ。「QCD」(品質・コスト・納期)プラス「S」(サービス)の課題を当社はワンストップで解決する。

サンマルク賞

抹茶REVOLUTION
~岡山に抹茶の新たな歴史を~

倉敷翠松高等学校
山本 璃音 / 中山 雪那
甲斐 美咲 / 岡崎 真輝

写真:サンマルク賞受賞者

世界でブームとなっている抹茶の製造を提案する。農家の高齢化や、茶畑が狭く大規模な機械化が難しいなどの問題で、岡山には抹茶製造が根付いていない。私たちは地元農家や京都の老舗日本茶専門店の協力で栽培から加工まで実践。甘み成分を引き出すため、直射日光を当てない栽培方法を試し、抹茶(缶入り20グラム)を商品化した。さわやかな味が特徴。今後は量産による低価格化を図り、お茶文化の維持、地域の活性化、農業の魅力化に貢献したい。

MASC賞

800年の時空の旅:
源平の夢の跡をたどるツアー

倉敷古城池高等学校 
今城 慧郁

写真:MASC賞受賞者

源平合戦の舞台になった倉敷市の藤戸、水島地区の史跡などを巡る。
源氏の武将・佐々木盛綱が馬で海を渡った往時の雰囲気を疑似体験するために、干潮時に現れる〝幻の島〟高洲に船で渡って潮干狩りを楽しんだり、合戦の死者を弔うために始まったと伝わる白石踊(国指定重要無形民俗文化財)を体験したりする。コト消費をメインに、土産の購入や飲食、宿泊による経済効果で地元活性化の呼び水役を担いたい。白石踊の伝承も期待できる。

MASC:岡山県倉敷市水島地域への航空宇宙産業クラスターの実現に向けた研究会

ハンズオン支援賞

海洋廃棄物(カキ殻)の再資源化による
新事業の創造・展開

山陽クレー工業株式会社 
瀧本 亮

写真:ハンズオン支援賞受賞者

カキ殻を粉砕し、高純度で高品質な炭酸カルシウムの生成に成功した。紙や塗料、ゴムなどに混ぜる工業原料のクレー(天然鉱物・ろう石を砕いた粉末)を生産する当社の技術を応用。粒子が0.01ミリ前後の細かさで、不純物が少ない点を生かし昨年、第1弾商品として日本画の顔料などに使われる胡粉を発売。作家から「きめが細かく仕上がりがきれい」と好評だった。今後、技術革新を進め、農業や医療・健康分野など多様な事業展開を図る。

審査員特別賞

サゴデンプンを活用して免疫力向上・
腸内環境改善・健康寿命増進

株式会社テンダーハーツ 
蓬郷 健

写真:審査員特別賞受賞者

加齢とともに食べ物をのみ込む力は弱くなり、のどに張り付かない食事を心掛けないと、誤嚥性肺炎、窒息事故のリスクが生じる。私は東南アジアで生育するサゴヤシの木の幹から抽出したでんぷんで実験を繰り返し、医師らの協力を得て栄養補助食品(のどに詰まらない、もちの素材)を開発した。この素材は服薬、誤嚥予防に利用でき、従来品より大幅なコストダウンが見込める。食を通じて岡山の健康寿命の延伸に貢献し、健やかな食生活を実現する。