OKAYAMA INNOVATION CONTEST Grand Prix 2022

OKAYAMA INNOVATION CONTEST 2022
受賞者決定!!

11月26日(土)、岡山シンフォニーホールにて
「岡山イノベーションコンテスト2022」ファイナルステージが開催された。
当日はファイナリスト16組による優れたビジネスプランが披露され、会場客を魅了した。
グランプリと各部門の大賞受賞者を紹介します。

受賞者紹介

グランプリ / ビジネス部門 大賞

高さを自由に仕切れる天井

株式会社マクライフ
牛垣 希彩

写真:グランプリ/ビジネス部門大賞 受賞者
安全、デザイン性実現

施設などの天井は金具で重いボードをつり下げている。東日本大震災ではそんな天井が一気に落ち、避難所も使えなくなった。現在取られている主な対策は、つり金具を増やすか、天井そのものをなくすかの二つ。しかし、これは根本的な解決になっていない。
そこで当社は「つる天井から張る天井へ」と発想を転換。つり金具を使用せず、金属部材を設置した壁から、大きな一枚に加工した強靭なガラス繊維シートを引っ張る、新たな工法を生み出した。シンプルな工法のため工期の短縮、大幅な軽量化を実現。高さや形は自由で、カラーバリエーションも豊富だ。実際に岡山県内外の公共施設で採用されており、国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)にも登録されている。
公共施設、工場などの建て替えや改修で膜天井が導入されると非常に大きな市場となる。その中でも特に届けたい先は、大好きな祖母もいる老人ホーム。安全とデザイン性の両面を備えたまくてんを岡山から全国へ発信し、世界の常識を変えていく。

ビジネスプラン部門:高校生の部 大賞

まこもの飼料化による
持続可能な地域循環型農業と
地域防災

おかやま山陽高等学校
松園 倭知 / 串田 宰 / 園田 智也
午堂 莉沙 /
森下 葉月 / 馬谷 美好
村上 心愛 / 平野 結菜 / 
小野田 将太
 中村 颯汰 / 池上 大耀 / 梅田 武史

写真:ビジネスプラン部門 高校生の部 大賞受賞者
耕作放棄地、水田に再生

地域農業は後継者不足や高齢化、耕作放棄地の増加が深刻な上、円安などの影響で飼料、肥料が高騰し、経営を圧迫している。岡山県里庄町の特産物マコモタケを耕作放棄地で育て、牛のえさにすることで課題を解決したい。廃棄していた茎や葉で無農薬飼料の試作品を作り、成分分析したところ、栄養価の高い粗飼料と判明。実際の工程で飼料を完成させた。
このマコモの飼料化により、農家と酪農家が互いの廃棄物を利活用し、循環型農業を実現。また耕作放棄地を水田に再生し〝ダム〟の役割を担うことで防災に役立つ。試算では補助金の活用などで黒字展開ができ、新規就農者や後継者増につながる。他地域や他産業と連携を深め、持続可能な発展へ向けた架け橋となる。

ビジネスプラン部門:大学・専門学校生の部 大賞

「あした着る服」をきめてくれる
SNS
「こーでねーと」

岡山大学 大学院
宮本 あゆは

写真:ビジネスプラン部門 大学・専門学校生の部 大賞受賞者
クローゼットを最適化

「別におしゃれじゃなくていいけど、ダサいと思われたくない」。そんな悩みを、SNS(交流サイト)「こーでねーと」で解決する。持っているファッショアイテムや特徴、好みを登録すると、ユーザーがそれを基にコーディネートを提案してくれる。似たようなアプリは多くあるが、大きく異なるのは「自分の服」という点。クローゼットを最適化できる。
また「高でねーたー」認定制度を設け、高評価を多く得たユーザーには利益が入る。岡山県内の服飾系専門学校に授業の場として活用してもらうことで、将来のアパレル人材の育成にも寄与する。想定市場規模は2兆2,121億円。ファッションに悩んでいた私自身が、この世から「ダサい」をなくしたい。

ビジネスプラン部門 一般の部 大賞

ヒト臓器チップによる
製薬イノベーション

岡山大学 学術研究院 医歯薬学域
高橋 賢

写真:ビジネスプラン部門 一般の部 大賞受賞者
病態再現し効果を評価

ラットや犬などの実験動物は、世界で毎年5,830万匹が犠牲になっている。その反面、動物に効果がある薬が必ずしも人間に効くとは限らない。この非倫理性と不確実性を解消するため、ヒトの臓器機能を再現できるチップを開発した。
チップは、ヒトの細胞を組み合わせることで作製。チップ上にアルツハイマー病や糖尿病などの病態を再現し薬を与えることで効果を正確に評価できる。個人のiPS細胞を用いれば、人それぞれに効く薬の開発も可能。
心臓チップにノルアドレナリンを投与したところ、本物の心臓と同じように心拍数が上がった。薬物試験の市場規模は年々増加しており、この研究でメディカルシティー岡山を実現したい。

サンマルク賞

「フードロス問題」「貧困問題」を
ソーシャルビジネスで解決!

一般社団法人コノヒトカン
三好 千尋

写真:サンマルク賞受賞者

ロス食材を使った缶詰「コノヒトカン」で、フードロス問題と貧困問題を解決したい。缶詰のレシピは岡山県内の料理長が開発。中身を2合の米飯と混ぜて食べれば、3~4人分の空腹を満たすことができる。缶詰に社名を入れることで協賛企業を募り、毎年2,000缶を児童養護施設や子ども食堂に無料配布している。今年は、県内の高校生を対象に缶の活用プランを募集したほか、小中学校では授業の教材として使われた。今後は、価格を1缶750円前後に設定し、売り上げの10%を寄付する計画。活動の輪を全国に広げ、心豊かな社会を目指す。

MASC賞

企業と学生を本音で繋ぐ
キャリアカフェ「TsudoiVa」

岡山大学
脇田 康之亮

写真:MASC賞受賞者

地元企業は岡山大生を求めているにもかかわらず、同大生の多くは県外就職を考えている。そのギャップを解消するため考えたのが、キャリアカフェ「TsudoiVa」だ。各企業の特色を生かしたイベントを開催するほか、学生は無料の勉強スペースとして利用できる。企業の年間スポンサー料を50万円に設定し、採用コストを大幅に削減。一度しか接点の持てない合同説明会と異なり、同大生への継続的なアプローチも可能にする。学生にとってはキャリア選択の場になる。今後は全国に展開し、岡山から地元就職に革命を起こしたい。

MASC:岡山県倉敷市水島地域への航空宇宙産業クラスターの実現に向けた研究会

審査員特別賞

地域活性型EdTechスクール
「ええがぁLABO」

株式会社ココロの保健室/
真庭市地域おこし協力隊
高橋 智世

写真:審査員特別賞受賞者

メンタルヘルス教育とテクノロジーを融合して、不登校の子どもをサポート。真庭市内に開設した「ええがぁLABO」では、イラストを見て自分の感情をつづる日記帳(らしさダイアリー)、学年をさかのぼったり飛び越えたりして学習できるAI搭載ドリル、オンラインを活用したキャリア教育などに取り組む。LABOの活動を出席扱いにする中学校も現れた。地域活性化事業への参画を通じ、子どもたちの夢を育てる取り組みも展開。若者の自殺や児童虐待が問題となる中、多様な生き方や革新的なアイデアの発表ができる子どもを増やしていきたい。